1988

NOTHING COMPARES 2 U/
SINEAD O'CONNOR
/FROM ?(PRINCE)
この曲は、アルバムを持ってないので、何のアルバムに入っているのかは知りません。
 ボブディランの30周年記念コンサートという有名なコンサートがありました。ちょうど、92年ぐらいだったでしょうか?そのコンサートで一つの大事件が起きました。コンサートの少し前に妊娠中絶のことや、カトリックの封建的な体制に対してシンニード オコナーがローマ法王の写真を破り捨てたという事件がありました。彼女の行動は、決してほめられたものではありませんが、自分の意志を明確に表明したわけです。
 妊娠中絶は、してはいけないことですが、カトリックの教えの中で「妊娠中絶をしてはいけない」という「教義」は、いろんな国で性犯罪にあっている人を苦しめているのも事実です。レイプとか、ユーゴの内戦などでは、多くの女の人が耐えがたい苦しみを背負ってきました。
 そこで、30周年コンサートの時に、シンニードオコナーが登場した瞬間(たしか、I DON'T BELIEVE YOUを演奏するはずだったけど)、観客から一斉のブーイング!!それもすごいブーイング。彼女は、演奏ができなくなり、泣きじゃくりながらボブ マーリーのWARを力の限り声を振り絞って歌い、自分の意志を明確にしました。まさに、ボブディランの30周年コンサートで起きたことに意味があります。このシンニードオコナーの姿は、65年のディランの姿とだぶるじゃないですか!まさにロックな姿、自分の意志を明確にし、突き進む姿に感動を感じます。この時の観客は、ディランがホークスと一緒にツアーしたときのことをどんなふうにとらえていたのでしょうか?宗教がらみのことだから、少しむずかしい気もしますが、ニールヤングは彼女の「姿勢」を理解していたような気がします。だからこそ、あのALL ALONG THE WATCHTOWERの演奏につながったと思います。
 この曲は、プリンスの原曲を遙かに超えた素晴らしい解釈で88年に大ヒットしました。彼女の表現力、彼女の持っているものがこの曲を永遠の名曲にしました。アレンジの素晴らしさも見落とせませんが、プロモヴィデオでの彼女の姿は、美しいの一言です。この曲、そのものを彼女が出しきっていると思います。天才プリンスでもこの解釈は乗り越え切れませんでした。
(2001年1月1日)

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